高断熱・高気密住宅は作り方を間違うと10年、15年で建て替えないといけなくなる危険性があります。断熱工法はいくつかの工法がありますが、工法や材料の選択もよく検討して決める必要があります。日本の場合、北は北海道から南は沖縄まで南北に長い国ですから、気候も地域によってかなり違います。ですから、それぞれの地域によって適した工法というものがあるはずです。
建物の周りを断熱材や気密シートで包んで、ほとんど1年中窓を閉め切った状態でエアコンや換気システムを使えば、快適な環境が得られるという幻想を抱いている建築会社や設計者がいるのではないかと思います。
夏の暑さを凌ぐ知恵は日本の伝統的なものがあります。例えば季節毎の太陽高度を計算に入れた庇や軒の出の調整によって、建物内への太陽熱の取り入れを変えることが可能です。デザイン重視で庇のない家がありますが、その様な家で暮らすと、夏の暑い時期に太陽の熱が建物の中に入ってきてエアコンを1日中使わずには過ごせません。雨に日には窓も開けれず、自然の風を取り込むこともできません。
日本の伝統的な知恵を生かしながら、新しい技術を取り入れていく姿勢が大切だと思います。
これから住宅を建てられる方の為に参考になる本を紹介します。建ててしまってから後悔しない様に、ぜひ読んでみてください。
「外断熱が危ない」 株式会社エクスナレッジ発行
西方 里見著
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