2007年01月04日

家をつくって子を失う

ie001b.JPG すまいは、どんなに綺麗で器としてのデザインが良くても、家族のコミュニケーションが取れなかったりすると、家族関係にひびが入ったり、色々と支障をきたすことがあります。間取りを考える時には、慎重にじっくりと考える事が重要です。例えば、子供部屋は本当に必要なのか?必要ならば、どこに配置すればいいのか?などと考えることは、子供の将来がかかっている重要なことだといっても、言い過ぎではないと思います。特に小学校の低学年から個室を与え、テレビ、パソコン、携帯電話なども与えることが、本当に子供の為になるのでしょうか。

 大学教授の佐野利器は「住宅論」(大正十四年刊)の中で、次のように述べていますが、今の時代でも言いえることだと思います。
「真の住宅は正に家人本位たるべし、しかも一家団らんの室がその中枢をなさねばならぬ。第一に、子供は一定小さな規模の部屋に押し込められては、育つによろしくない。子供は、叱られないかぎり家中、庭中、どこでも移動して遊びまわるのが常である。それに親が自分の目の届く所に子共を置く方が良い。子供からいっても同じで、親に近づいたり離れたり、時には一緒に何かする、この方が自然である。ことに子供が二,三人以上の場合は単独の子供部屋ではかえってよくない。」

 また、松田妙子は「家をつくって子を失う」(財団法人 住宅産業研修財団 平成十年刊)の中で、次のように述べています。
「子供部屋は、高度経済成長期にうなぎ上りに普及し、受験競争が、それに拍車をかけた。世の親達は他を無理してでも、子供に勉強用の個室を与えた。その要求にそって住宅プランは子供部屋を設ける間取りが主流になり、それもドア式が圧倒的に多い。おまけに大多数の住宅は敷地面積が狭い為に、玄関から直行する2階に独立した子供部屋をつくる。子供は家族と顔をあわせずに家を出入りし、2階の自室にこもることも出来るのである。

 近年の少年非行は、中流の上で、持ち家で、両親そろって高学歴、母親が専業主婦、という家庭の子供がなんと69%にものぼる驚くべき実態である。非行の誘因は一口では言えないにしても、家庭教育を含めた親子のコミュニケーションの不足、それに関連して子供部屋と住まいのあり方がけっして無関係ではないと私は思う。

 子供が帰宅したときの表情態度から、学校や外で起きた出来事を読み取ることが出来るのだが、その日その日の子供の変化に気づきにくい状況の親が多い。

 子供達が人間として立派に育つかどうかに日本の将来はかかっている
。」

posted by yuhi at 23:08| 山口 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 住まい | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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